保健科学東日本の食品衛生検査の検査項目と検査の方法

最近は、食品衛生に対する関心が高くなっています。では、食品衛生とはどのようなものでしょうか。世界保健機関では食品衛生の定義について、食品の健康性、安全性、新鮮性を確保するために、食品を造るプロセスから消費されるまでに必要な全ての方法をいう、としています。また、飲食物による危害を防ぐ方法としては、HACCPなども導入されていて、ますます自主的に食品を管理する体制が大切になってきています。このような背景から、保健科学東日本では、食品衛生検査に臨床検査の技術を応用して、消費者が安心して食品を食べられるように陰で支えています。保健科学東日本が行っている食品衛生検査の検査項目の一つとして食品微生物検査があります。食中毒を防ぐためにはその原因となっている微生物検査が重要になってきます。保健科学東日本では、調理品や食材、加工品に食中毒の原因菌がいるかどうかはもちろん、その食品の食中毒のリスク、微生物の腐敗状況や汚染度なども一緒に把握することができます。

平成15年5月健康増進法の施行により、栄養成分の表示基準が定められました。栄養成分検査とは、表示義務のある食品中の栄養素などを検査するものです。保健科学東日本では、健康増進法で決められた基準にあわせ、栄養成分を正しく調べ、精密に検査結果を伝える役割を担っています。

また食品への安全性が求められる現代社会において、野菜や肉に関する表示義務はニーズが高まっています。平成18年5月ポジティブリスト制度が施行されましたが、これは食品衛生法の残留農薬基準に設定されていない農薬が、一定量以上使われている食品の流通を禁止するものです。ポジティブリスト制度の一定基準とは、健康を損なわない農薬量や厚生労働大臣が様々な意見の元で決めた量をさします。保健科学東日本は、ポジティブリスト制度の農薬チェックも請け負っており、農薬が正しく散布されているかといった使用方法から、食品に使用する原料の品質管理、輸入食材の農薬チェックなども幅広く行っています。

牛や豚、鶏などの食肉もまた食品衛生法と日本農林規格により、原産地や賞味期限の表示が義務付けられています。なかでも肉種判別検査は定期的に行うことが大切です。肉種判別検査では、何の原料肉を使っているかわかりづらい加工食品に対し、動物由来のDNAチェックを行っています。その加工品が、何の肉を使用しているか、消費者へ正しく情報を伝えるために検査します。