HIV感染症診断補助に役立つ保健科学東日本のHIV-1/2抗体確認検査

保健科学東日本では、HIV-1/2抗体確認検査を受託しています。
HIVはHuman Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)のことです。
ウイルスや細菌といった病原体から守るために欠かせないマクロファージやTリンパ球といった細胞がHIVに感染すると、HIVが細胞の中で増殖します。
その結果、免疫に大切な細胞が体の中から減ってしまい、様々な病原体に感染しやすくなってしまうのです。
この状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)と言います。
エイズは、HIVに感染してからすぐに発症するのではなく数年から数十年かけて発症します。
そのため、HIVに感染しても無症状の期間があるため感染に気付かずに、発症して初めて感染に気付くケースも多いです。
しかし、HIVに感染すると急性期と呼ばれる2~6週の間に、発熱や咽頭痛、頭痛や下痢、リンパ節腫脹といったなんらかの症状がみられるケースが50~90%の人にあると言われています。
そのため、少しでも不安がある場合はHIV検査を受ける必要があります。
HIV検査はスクリーニング検査と確認検査の2つの種類があります。
最初にスクリーニング検査を実施し、陰性であれば感染なし、判定保留や陽性が出た場合には保健科学東日本でも実施している確認検査を行います。
確認検査を実施し、陽性判定となればHIVに感染していると診断されます。
HIVのタイプは1型と2型です。
保健科学東日本で実施しているHIV-1/2抗体確認検査は1型と2型両方を同時に検査でき、日本エイズ学会・日本臨床検査医学会による診断ガイドラインでも推奨されている確認試験です。
また、これまでにHIVの確認検査で用いられていたウェスタンブロット法と比べると、感度や特異度が向上しているメリットがあります。
現在、HIVを体内から排除する治療法はありません。
エイズを発症したまま病院にも罹らず未治療でいた場合、予後が数年とも言われています。
しかし、抗HIV薬を用いて治療を続ければウイルスの増殖を減らし、エイズ発症を抑えられます。
エイズを発症してからの治療も可能ですが、発症前にHIVへの感染がわかれば医療機関で最適な治療の開始ができます。
エイズの発症を防げれば、健常者と同じような日常生活を送れるので、できるだけ早い段階での治療が不可欠です。
HIVに感染しているかの確認検査は、医療機関などから受託されて保健科学東日本で実施いたします。
保健科学東日本における検査の所要日数は、4~8日です。
無症状でもHIVは体の中で増殖し続けてしまうので、結果を早急に医療機関にお届けします。