感染症対策をするためには、まずその原因菌を特定する必要があります。保健科学東日本は細菌検査を通じて、医療機関が迅速に対処できるためのサポート体制を整えており、起因菌を検出するために、さまざまな検体に対応しています。細菌検査では糞便や尿、血液などを検査材料として細菌を特定します。検査の方法も多種多様で、塗抹鏡検検査や培養同定検査、薬剤感受性検査などの機器や検査体制を整備しています。後者2つの検査については、自動的に作業できる機器を導入しています。
大腸菌O-157などの食中毒の場合、時間がかかると感染した人の命にかかわる事態も想定できます。そのため、迅速に検出できるように、選択培地を活用しています。作業効率化のほかにも、検出率の向上も期待できます。
感染症対策として、保健科学東日本では免疫検査体制も充実させています。保健科学東日本の検査では、ウイルス肝炎やHIV、梅毒などの感染症の検査が行えます。そのほかにもアレルギー検査を行うにあたって、この免疫検査を実施することもあります。近年では春先、花粉症で悩まされる人や老若男女に関係なくアトピー性皮膚炎など、アレルギーは身近な問題として広く認識されています。しかしアレルギーの中にはアナフィラキシーショックといって、短時間で劇症を引き起こし命にかかわるケースもあります。そこで保健科学東日本では、アレルギーの原因物質を特定するためスピーディに検査できるような体制を整えています。そのほかにも腫瘍マーカーやホルモン検査にも対応しています。こちらもスピーディに結果報告するのが保健科学東日本の持ち味で、原則検体を受け取ったら翌日に報告できるようにしています。
保健科学東日本ではただ単に検査するだけでなく、専用システムによるデータベース化も進めています。例えば同じ患者が時間をおいて検査した場合、前回の数値が出てくるようになっています。前回値と比較してどのような変化がみられるか、たちどころにわかる検査体制です。たとえ正常値の範囲でも、前回よりも上がっている場合、患者さんに対して注意喚起を行えます。また、関連するデータと連動できるようなシステムになっていて、トータルで信頼性の高いデータを提供できるようになっています。例えば保健科学東日本では、免疫検査との連携を進めています。免疫学的方法で抗原検査を行って、感染症の原因菌を特定すれば、迅速で精度の高い結果報告が可能です。