日々の暮らしに欠かせない水は飲むのはもちろん、キッチンの調理作業やバス、トイレなど、あらゆる場面で大切な役割を果たします。けれども、多くの人は、身のまわりの水が清潔で安全なものであることを疑わず、普段何気なく使っています。蛇口をひねれば、常に安全な水が供給される環境について、どのような過程を経て良質な水が手元に届くのか、今一度考えてみる必要があります。
私たちが使用している水は、厳正な検査を通して届けられています。水道事業から供給される水道水の他、自家用水道によるものや、地下水、地表水などいずれも水道法に基づく登録を受けた検査機関による水質検査が義務づけられています。水道法第20条では、「定期及び臨時の水質検査」の実施と、適当な検査施設の設置を定め、「公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与すること」をうたっています。これを受け、関係機関が随時水質検査を実施しています。中でも保健科学東日本は、より精緻な水質検査を目指し、意識の高い取り組みを行っています。
保健科学東日本は、環境の保全と創造、省エネルギーを理念に掲げ、飲用水だけでなく、工場や事業所から出る排水や、ビルの空調用冷却塔水など、多岐にわたる水質検査を手がけています。その業務は、しばしば重篤な肺炎を引き起こすレジオネラ属菌の増殖を防ぐとともに、設備の効率保持と機能低下防止に貢献しています。近年、宿泊施設を含む公衆浴場、あるいは大型のスポーツ施設や介護施設の浴槽を原因とするレジオネラ症が報告されており、予防が重視されています。感染報告のほとんどは、冷却塔水や循環式浴槽によるもので、対策には定期的かつ精密な検査が求められます。保健科学東日本では、各施設の水質検査を広く受託し、安全な水の提供に努めています。
厚生労働省の規定する水質基準は、51項目にも及ぶ基準項目から成ります。これらを満たしたうえ、ビルの水道水なら、建築衛生法の定める検査を実施しなければなりません。工場や事業所の排水には、水質汚濁防止法の定める排除基準があり、自治体ごとに国よりも厳しい上乗せ基準や罰則が設けられています。こうしたさまざまな水質検査を、保健科学東日本は広範に手がけ、基準項目を確実にクリアしています。保健科学東日本による検査レベルの高さがうかがえます。 家庭や公共施設に供給される水の安全は、保健科学東日本をはじめとする検査機関による水質検査で保証されています。