保健科学東日本では食品衛生検査として食品微生物検査、栄養成分検査、残留農薬検査、肉種判別検査の4つを行っています。現在食品の安全を確約する手段としてHACCPという衛生管理法の導入が法律で決まっており、食品の自主検査体制が必要です。そのため保健科学東日本では、臨床検査技術を食品衛生検査に活用することによって、より確実な検査ができる体制を整えています。
食品微生物検査では、一般生菌や大腸菌群などが材料や加工品などにどれくらい含まれているかを検査します。これによって食中毒を起こす菌の有無だけではなく、その食品の腐敗度合いや食中毒を起こす危険性も知ることが出来ます。人の手指を介して媒介される黄色ブドウ球菌はすべての食品で検査を行いますが、畜産製品においてはサルモネラ菌、生鮮魚介類や漬物などは腸炎ビブリオなど、食品によって検査が必要になる細菌は違います。保健科学東日本では、それぞれの菌を個別に検査するコースと、基本的な菌をまとめて検査するコースを用意しています。
栄養成分検査は、パッケージに栄養や成分を表示するために必要な検査です。表示する栄養は健康増進法に定められており、3大栄養成分である脂質、タンパク質、炭水化物と、摂取過多により健康を害する恐れのあるナトリウムとエネルギーの5つが基本となっています。それに加えて製造業者が強調したい栄養素があれば、それを任意で記載することになっています。平成27年には食品表示法の改正があり、加工食品には栄養表示が義務化された他、ナトリウムは食塩相当量で表記することになったため注意が必要です。栄養素は個別に検査する必要がありますが、保健科学東日本では表示が義務付けられた栄養を含む7項目の検査をまとめたセットも用意しています。
残留農薬検査では、平成18年より施工されたポジティブリスト制度に基づいて、すべての農薬や飼料添加物、動物用医薬品が基準値を超えていないかをチェックします。保健科学東日本では、ポジティブリストに対応した検査項目を一括して検査しています。
肉種判別検査では、主に加工肉に使用されている肉の種類を判別します。この検査は、食品偽装問題がニュースになってから需要が高まったものです。見た目や味などでは判別しにくい加工肉の種類を、DNA検査キットによって判別します。保健科学東日本では検査キットを効果的に活用することによって、最短で翌日までに報告することが出来ます。