水や大気、動物などから病原性のある微生物が人体へ侵入すると感染が引き起こされ、さまざまな感染症を誘発します。病原体となる微生物は細菌やウイルスをはじめ、カビや寄生虫など目に見えないところにおびただしく存在しています。これらが人の体に定着し、増殖した状態を感染といいます。病原体が人体へ侵入する感染経路には、いくつかのパターンがあり、空気中の粒子を吸い込む空気感染では、感染源から飛沫した病原体が粒子中に含まれています。また、保菌者の咳やくしゃみを直接吸い込む飛沫感染や、保菌者あるいは感染源に直接触れる接触感染があります。その他、病原体に汚染された物質を介して感染する媒介物感染など、いずれも1個の感染源から周囲へ爆発的に拡散させ、深刻な被害をもたらす危険性を秘めています。
感染の症状は人により違いが見られます。病原体にとって侵入先である人体が感染を促進する環境に適していれば発症し、そうでなければ発症を抑制します。明確な症状が現れない人は自覚がないまま病原体の保菌者となり、感染を拡大してしまうおそれがあります。感染症のリスクを最小限にとどめるには感染経路の遮断と迅速な検査を必要とします。地域医療に貢献する保健科学東日本は、最新遺伝子検査による感染症検査を行っています。感染症には多くの種類があり、原因と予防対策もそれぞれ異なります。保健科学東日本では各感染症に対応する検査が最新の技術を用いて実施されています。
ノロウイルスは感染症のひとつである食中毒を引き起こすウイルスです。主に冬に感染者の小腸で増殖し、胃の運動を妨げることで吐き気や腹痛、下痢の症状を現します。保健科学東日本のノロウイルスRNA検査は、極めて迅速にウイルスを検出し、病院の院内感染や施設の食中毒予防に努めています。また、結核菌の検出を高感度に行う結核性髄膜炎NestedPCR検査には、保健科学東日本独自の技術が発揮されています。検出が難しい髄液検体から結核菌DNAを確実に見つけ出し、全国にある大きな病院から検査を引き受けています。
近年、若い世代を中心に広がる性感染症には、性感染症スクリーニング検査が効果を得ています。韓国の遺伝子検査薬メーカーが作るキットを使用し、性感染症の原因となるクラミジアやヘルペスウイルスなどを同時に検査することができます。遺伝子検査とは、感染者の各体質に対応した調査を行うものです。保健科学東日本の最新遺伝子検査は調査の精度をより高め、感染症予防と治療の可能性を広げています。